ギャラリー2
2025.02.01 UP
ギャラリー 2 にてタムラサトルの個展「前橋マシーン」を開催いたします。
作家名 |タムラサトル
展覧会名 |前橋マシーン
会期 |2025年2月8日(土)ー3月9日(日)
会場 |まえばしガレリア ギャラリー 2 前橋
MAKI Gallery はこの度、まえばしガレリア ギャラリー 2 にて、ローテクノロジーでシニカルなユーモアを交えた立体作品を制作する、タムラサトルの個展「前橋マシーン」を開催いたします。数字や文字、記号などを形作ったチェーンが延々と動く「マシーンシリーズ」、火花を出しながら ON/OFF される「接点シリーズ」、ブックアーティストのヤスシチョウとのコラボレーション作品、4色の「落下傘」が展示されます。
前橋に縁もゆかりもないタムラサトルがまえばしガレリアでの個展のために、《前橋マシーン》を制作しました。それぞれ172 x 122 cmの鉄板に、油まみれのチェーンがベアリングやモータとともに、〝前〟〝橋〟という形でレイアウトされています。本来このチェーンは工業製品であり、何らかを仕事するためのものですが、《前橋マシーン》は、〝前〟〝橋〟と、ただただ動くのみの作品です。
一体なにを目的に作られたのだろうかと疑問に思いながら、気付けば無心で作品をじっと鑑賞し続けている私たちは、「素材・形態がもつであろう意味・設定・目的からも、自由でありたい」と話す彼の術中にはまっているのかもしれません。社会に欠かせない有用な電気を、何も生み出さない、なんの役にも立たない無用なものとして、シニカルなユーモアを交えて作品にするタムラサトルが作り出す空間を、この機会に是非お楽しみください。
1972 年栃木県生まれのタムラサトルは、1995 年に筑波大学芸術専門学群総合造形領域を卒業し、現在も栃木を拠点に活動しています。タムラの作品には、電気という現代文明に欠かせないもの、いわゆる社会インフラ(インフラストラクチャー)が使われています。ときには動力となってワニを回し、ときには計測器となって美を数値化し、そしてあるときはあえて機械的で開放的なスイッチを作ってランプを灯します。「だからなんだ?」と思わずつぶやきたくなるアイロニーに満ちたこれらタムラの作品は、大がかりな ‘装置’ であるゆえに遊園地を思わせます。それは作家がいみじくも語る「素材・形態がもつであろう意味・設定・目的からも、自由でありたい」を具現化しており、作品を通してタムラが訴えるところなのです。
電気があまりにも生活に、産業に深く入り込み、私たちはそれがもはや所与のものと感じています。ひとたび停電ともなれば、いかに電気に依存した生活を送っていたかがわかる今日。これほど社会に欠かせない有用な電気を、何も生み出さない、なんの役にも立たない無用なものとして、彼はシニカルなユーモアを交えて作品にします。タムラの作品は、まさに見ること以外の用途を禁じたファインアートそのものであると同時に、有用性のみが優先する社会に警告を発するのです。
近年の主な個展に「無目的な機械 AIMLESS MACHINE」DH Neology(台南、2024 年)、「Hi, Kumi. Hi, Mike.」さいたま市プラザノース ノースギャラリー(埼玉、2024 年)、「1 トンになる タムラサトル」栃木市立美術館(栃木、2022 年)、「ワニがまわる理由 ( ワケ ) は、聞かないでほしい」MAKI Gallery(東京、2022 年)、「ワニがまわる タムラサトル」国立新美術館(東京、2022 年)がある他、東京都写真美術館、DIC 川村記念美術館、栃木県立美術館、MoMA PS1 をはじめとする美術館でのグループ展にも精力的に参加しています。さらに、2017 年 International Light Art Award 2017First Prize 受賞、2009 年 第 12 回岡本太郎現代芸術賞展(TARO 賞)特別賞、2002 年 フィリップ モリス K.K. アートアワード 2002「ザ・ファースト・ムーヴ」特別賞、1999 年 KIRIN CONTEMPORARY AWARD 1999 奨励賞など多数の受賞歴があります。
MAKI Gallery
まえばしガレリア Gallery2
〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-9-1
営業時間:11:00-19:00
休廊日:月曜・火曜・祝日
本企画に関するお問い合わせは下記までお願い致します。
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